ヘルスケア事業
検証活動
大磯産官学連携事業
平成27年度経済産業省委託事業におけるコンソーシアムメンバーと役割
ロコミル
ロコミルとは、大磯町、東海大学、アルケア株式会社の産官学を中心とし、その他にも多くの方のご協力の下、推進してきた運動器の健診事業です。
2017年度のロコミル募集のチラシ
大磯町で実施している特定健診(集団健診)の実施時に、運動器(ロコモ)を診る(ミル)ということでロコミルと名づけて活動し、2015年4月~2019年3月の4年間の研究事業として実施することで、地域住民の方の運動器の状態を明らかにしてきました。共同研究者である東海大学整形外科の三谷先生の報告*によれば、2015年4月から2017年3月までの前半2ヵ年でも、約800人の町民の方が参加し、そのうち、約6割がロコモに該当することが明らかになりました。メタボ該当者が2割以下だったことを考えると、これからはロコモの対策を広げていくことが重要であると思われます。
アンチロコモ教室
アンチロコモ教室は、大磯町、東海大学、アルケア株式会社の産官学連携事業として、実施した介護予防教室です。
アンチロコモ教室におけるアンチロコモサイクル
参加者の募集は、ロコミルにおいて、ロコモ度1以上だった方に、大磯町から教室のご案内を行い、併せて広報でも参加者を受け入れることで、広く町の方が参加できる仕組みとしました。
毎月1回の教室で参加者の下肢筋力を測定、参加者の筋力レベル(身体能力)に合わせて下肢筋力を強化することに特化した強度別の正しい体操の方法を学びます。
基本的には教室では正しい体操を覚えてもらい、毎日の活動の結果を記録していく自助中心の教室です。
また、毎月1回の教室では、健康講話を行い、健康リテラシーの向上を図っています。共同研究者である東海大学の中村先生により、アンチロコモ教室の参加者では参加前後で下肢筋力の有意な向上が見られ、適切な運動が実施できていることが報告*されています。
*: 中村ら 高齢女性への運動介入による地域保健プログラムの効果(2018)
おおいそ関連ニュースリリース
神奈川ME-BYOリビングラボ
「神奈川ME-BYOリビングラボ」は、県民が安心して未病改善の実践に取り組むとともに、未病産業の持続的発展を促進するため、神奈川県が市町村やCHO構想を実践する企業等と連携し、未病関連商品・サービスの実証・評価を行う仕組みです。
この中で我々は事業者として、運動器機能の維持・改善を図る「アンチロコモ教室(以下「教室」という)」を運営する地域リーダー(以下「地域リーダー」という)」を育成し、市町村とも連携しつつ各々の教室でロコモティブシンドローム予防の運動指導を実施することで、地域リーダーの教育プログラム等の開発を行いました。更なる高齢化の進展に備え、行政を主体とした「公助」の取組みが中心となっているロコモティブシンドローム予防対策に、地域リーダーを中心とした「自助・互助」による取組みも加えた新たな社会システムの構築に向けた検証を行いました。
神奈川ME-BYOリビングラボにおける地域住民への運動器機能評価と運動指導による効果の検証
「神奈川ME-BYOリビングラボ」の成果として、今回の事業に参加した自治体では、すでに構築されている地域包括支援センターを活用し、受託している運動教室に対して、ロコモティブシンドローム予防・改善のプログラムを組み込んで指導するとともに、自宅をコミュニティスペースにしているリーダーに対して運動指導のポイントを指導しました。参加者の“行動の質”と“結果の質”が向上し、より身近な場所での運動継続がはかれる場づくりを提供することができました。