研究開発
医療現場の課題に新たな価値で貢献したいという想いから、医学と工学の融合による「医工学」をベースとした創造力で、皆さまに役立つ商品・サービスを生み出していくことを目指しています。
医療領域の専門分化や融合が進むなか、医療現場から寄せられるさまざまな要望にお応えするために、顧客の不満や不具合を的確に捉え、独創性のある技術や医療分野のエキスパートとの意見交換・共同開発などで培った経験を生かし、ベストケアを提供する価値創造を目指した研究開発活動を推進し続けています。医療現場に新たな価値を、アルケアはチャレンジを続けます。
顧客起点の開発
60年以上前、看護師さんが包帯に石膏をすり込み、ギプス包帯を苦労して手作りしていました。
"この手間と苦労をなくしてあげたい"
この思いが起点となり、アルケアは国産のギプス包帯「スピードギプス」の開発・製造に着手し、問題を解決しました。ケアの省力化や使い易さへのこだわりなど、顧客起点の開発精神の原点はここにあります。
「親切な製品をつくる」(アルケア株式会社 創業の言葉より)
創業者・鈴木重夫はこの言葉を我々に残しました。時代が変わっても、創業の志として大切に今に引き継がれています。
この志を忘れずに、現在でも日々医療現場を訪問すること、さらに深く理解するためにエスノグラフィーなどの手法を用いて満足していただく製品を創出することに取り組んでいます。
オープンイノベーション
アルケアはオープンイノベーションの一環として医療・研究機関や企業と連携し、新技術・商品に関する共同研究開発を推進しています。社内外の知識や技術を組み合わせることにより、新たな価値の創出を目指します。
シリコーン粘着技術
創傷用シリコーンゲルドレッシング〈エスアイエイド〉
創傷治療を行う医療現場では、ドレッシング交換時の疼痛、患部への固着(くっつき)、交換時のダメージなどが医療者と患者さんにとって大きなストレスとなり、こうした疼痛や固着を防ぐために多大な手間を費やしている現状があります。
交換時に痛みのないドレッシングの開発を目指して、独自のシリコーン粘着技術を採用した〈エスアイエイド〉が誕生しました。〈エスアイエイド〉は、シリコーンゲルと吸収体が一体化した"創傷管理の実際"に配慮した創傷用保護ドレッシングです。独自の「シリコーンゲルメッシュ」が皮膚と面で接するため、貼付時にはズレが少なく創傷面を安静に保ち、交換・剥離時には痛みやダメージを軽減します。ドレッシング使用での貼付から剥離時まで、創傷治療のストレスを軽減します。
創傷用シリコーンゲルドレッシング〈エスアイエイド〉 受賞歴
第38回発明大賞 | 「考案功労賞」 | 発明大賞 |
平成25年度関東地方発明表彰 | 「中小企業庁長官奨励賞」および「実施功績賞」 | 公益社団法人 発明協会 発明協会の表彰事業 |
平成26年度全国発明表彰 | 「日本弁理士会会長賞」および「発明実施功績賞」 | 公益社団法人 発明協会 全国発明表彰 |
経験・スキルを問わず、標準化をサポートする専用品
カテーテル固定補助テープ〈クイックフィックス〉
カテーテル固定専用キット〈フィックスキット・PV〉
カテーテル・チューブ類のトラブルへの対策や院内教育不足による手技のばらつきへの対策は、安全な医療を提供するうえで重要な課題となっています。
〈クイックフィックス〉〈フィックスキット・PV〉はカテーテル管理をサポートするために考え抜かれた専用品です。
カット・加工不要ですぐ使えるプレカットで準備の手間を省き、固定へのこだわりが詰まったテープ構造は、誰でも同じ固定ができるようサポートすることで手技の標準化に貢献し、固定による患者さんの皮膚への負担を軽減します。専用品として現場の声に応えて、常に進化を続けています。
カテーテル固定専用キット〈フィックスキット・PV〉 受賞歴
2013年度グッドデザイン賞 | 「グッドデザイン賞」 | グッドデザイン賞 |
皮膚の健康を追求した
ストーマ装具〈セルケアシリーズ〉
オストメイトの大きな悩みは、剥がすときの皮膚トラブルでした。かぶれず、安心できるものにしたい。使い続けながら皮膚が健康になるようなものにできないか。そうした想いから着目したのが「セラミド」です。
1965年に国産初のストーマ装具を開発してから、ストーマ周囲の皮膚ケアへの応用を目指し、研究を重ねました。その技術の集大成が〈セルケアシリーズ〉です。トラブルの起こりにくい健康な皮膚を保つセルケアは、皮膚の健康を求めるオストメイトから信頼をいただいております。
意識せずにずっと使い続けられるよう、しなやかで、皮膚のような一体感を追求したストーマ装具です。
ストーマ装具〈セルケアシリーズ〉 受賞歴
第3回ものづくり日本大賞 | 「経済産業大臣賞」 | 経済産業省 ものづくり日本大賞 |
2009年東京都ベンチャー技術大賞 | 「優秀賞」 | |
2010年勇気ある経営大賞 | 「大賞」 | 東京商工会議所 勇気ある経営大賞 |
下肢筋力を数値化する
訓練機能付下肢筋力測定器〈ロコモスキャン〉
下肢筋力は歩く・立ち上がるなど日常生活において欠かせないものです。歩行困難から介護が必要になったり寝たきりになることもあり、加齢に伴う下肢筋力の低下をいかに予防できるかが大きな課題になっています。下肢筋力は自立歩行や身体を支えるために重要な運動器の一つで、年齢に関係なく鍛えれば機能維持や向上の可能性があります。
〈ロコモスキャン〉は大腿四頭筋を中心とした下肢筋力を測定し、これを数値化します。下肢筋力を定量的に測定することで現状の運動機能の相対的な評価が可能です。また、下肢筋力を「見える化」することで、リハビリや日々の運動のためのモチベーションの維持や向上に貢献します。
10年の研究・開発期間を経て、従来の大型多機能筋力測定機器との測定性能の妥当性検証を行い、持ち運び可能なポータブル設計を実現。簡単でスピーディーな測定を可能にしました。
訓練機能付下肢筋力測定器〈ロコモスキャン〉 受賞歴
平成29年度関東地方発明表彰 | 「東京商工会議所会頭賞」 | 公益社団法人 発明協会 発明協会の表彰事業 |