平泉を拠点として平安時代末期の東北地方に君臨した奥州藤原氏は、金の産出により栄華を極め、藤原清衡、基衡、秀衡、泰衡の4代約100年にわたって繁栄しました。2011年、世界遺産に登録された「平泉の文化遺産」は、中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の5つから構成されています。
平泉文化遺産センターや令和3年に開設された平泉世界遺産ガイダンスセンターで歴史を学んでから観光すると、より強く印象に残るでしょう。
これらのうち、JR平泉駅から最も近い毛越寺までは西へ約700m。山門を入ると、大泉が池を中心とする浄土庭園が広がり、四季折々にすばらしい景色を見せてくれます。池の周りには本堂をはじめ、平安時代の堂塔伽藍を偲ばせる遺構が多数残っています。
毛越寺の東に隣接する観自在王院跡は、2代基衡公の妻が建立した寺の跡。現在、寺社の面影はありませんが、背後には雌雄一対の黄金の鶏を埋めたと伝わる金鶏山が望めます。
毛越寺から平泉観光のメインとなる中尊寺までは北へ約1.5㎞。幾本もの老杉が並ぶなか、かなり勾配のある月見坂を上っていくと、地蔵堂、薬師堂、観音堂などが次々に現れ、本堂へとたどり着きます。本尊の釈迦如来坐像は高さ約2.7mの迫力ある仏様で、両脇には比叡山延暦寺から受け継がれた「不滅の法灯」が灯されています。
本堂の少し先にある讃衡蔵には、中尊寺の国宝や重要文化財3000点余りを収蔵・展示。その隣の緩やかな階段の先にメイン画像の金色堂が佇んでいます。金箔押しの内外装に飾り金具や彫刻、螺鈿細工などが施された姿は圧倒的な美しさです。3つの須弥壇の上には仏像群が安置され、内部に奥州藤原氏4代の亡骸が納められています。
中尊寺の東側、北上川と束稲山を望み、平泉随一の眺望と評される丘陵にひっそりと建つのが高館義経堂。堂内には源義経公の像が祀られており、松尾芭蕉が「夏草や兵共が夢の跡」の句を詠んだ場所として伝わります。
平泉駅から北に約1㎞の無量光院跡は、3代秀衡公が建立した寺院跡で、かつては平等院鳳凰堂に似た伽藍があったそうです。
さて、平泉や一関のご当地グルメといえば、種類豊富な餅料理や、急かされずに自分のペースで味わえる「盛り出し式わんこそば」が人気です。周辺には歴史ある温泉も点在し、毘沙門天を祀った達谷窟、渓谷美が広がる猊鼻渓、厳美渓などの名勝もあるので、足を伸ばしてみると良いでしょう。
岩手県内市町村オストメイト対応トイレ一覧の紹介
岩手県庁HPでは県内のオストメイト対応トイレを掲載しています。
こちらのページからご確認いただけます。
https://www.pref.iwate.jp/kurashikankyou/fukushi/chiiki/machizukuri/1003551.html
道の駅平泉
地元食材のレストランや農産物・土産物の売店、休憩所が揃っています。
オストメイト対応トイレが3つあります。
https://hiraizumi.town/
(取材:2023年5月)