Episode 02 褥瘡・創傷領域
傷の治療に不可欠な商品。でもそれが、
医療関係者や患者さんを困らせていないか?
傷ややけどを負った時、その部分を覆って保護するのが「ドレッシング材」。このドレッシング材に革新をもたらす商品の研究開発にした成功したのがアルケアでした。その普及に奮闘した一人の営業担当を通して、この商品がもたらしたベストケアをご紹介します。
従来のガーゼでは、
不満をお持ちの医療関係者や患者さんもいると知った。
アルケアが手がけるウンドケア(褥瘡・創傷領域)の主力商品の一つであるドレッシング材。一般的には細い木綿糸で織られたガーゼが広く使われていますが、実はガーゼには、治療にあたる医療関係者の方々、そして患者さんを悩ませる問題がひそんでいました。その営業を担う社員はこう話します。
「私自身も経験があるのですが、従来のガーゼだと傷に引っ付いてしまい、剥がす時に痛い思いをすることがよくあります。医師や看護師の方々も、患者さんが痛がらないようにガーゼを除去するのに苦労されていました。また、ガーゼを剥がした時に皮膚が損傷して出血しまうことがあり、せっかく治りかけていた傷がまた悪化してしまうという悩みもお持ちでした。」
医療関係者の方々と日々接しているアルケアの営業担当者は、現場が抱える課題に絶えず触れています。そして『医師や看護師のみなさんがこんなことにお困りになっている』『こんな商品があれば問題を解決できる』という意見を毎日社内に向けて発信できる仕組みが整えられています。そうした現場からの声を活かして、アルケアは絶えず新しい商品の開発に取り組んでいます。
新商品を、
どうすれば受け入れてもらえるのか。
医療関係者の方々にも、患者さんにも、優しいドレッシング材を。そんな想いのもと、アルケアの高度な技術力によって新商品が生み出されました。素材にシリコーンゲルを採用し、メッシュ状にして皮膚との接地面を少なくすることで剥がれやすい構造を実現。医師や看護師の方々がストレスなく扱えて、患者さんの痛みも軽減できる−−、まさにアルケアの想いを形にした画期的なドレッシング材でした。
ちょうど彼が入社した頃に新発売された商品であり、ぜひこれを多くの医療関係者の方に使っていただきたいと、意気込んでお客さまのもとを訪れたと言います。
「最初はとにかく商品の機能ばかりアピールしていたのですが、当時はまだ普及していなかったタイプのドレッシング材であり、また私が新人で未熟だったこともあって、なかなか受け入れていただけませんでした。一方で、先輩方の仕事ぶりを見ると、医療関係者の方々のことだけを意識しているのではなく、その先にいらっしゃる患者さんにとってのベストなケアを考え、課題解決のための提案をされていました。もしアルケアの商品でそれに応えられない時は、他社の商品をご案内することも。そうした姿勢に感動し、私も見習って努力を重ねていったのです。」
そうした彼の姿勢がお客さまに徐々に認められ、実を結ぶことになります。
ドレッシング材
『アルケアなら何とかしてくれる』
その期待にこれからも応えたい。
彼は、今でもはっきりと覚えているシーンがあると言います。それは新人の頃、患者さんのためのベストケアを常に想いながら、ある医師を訪問した時のこと。
「『治療を行う際、患者さんとのやりとりで困っていることはありませんか』とうかがったところ、小さなお子さまが足に花火を落としてしまい、やけどを負ったとのこと。ガーゼで傷を処置しているものの、剥がす時に痛いのでガーゼは嫌だといつも泣かれてしまい、非常に困っているとご相談をいただいたのです。まさにアルケアが開発した新しいドレッシング材がお役に立てる時だと懸命に提案したところ、商品の使用を決定いただけました。後日、その医師の方から『あのドレッシング材を紹介してくれて本当にありがとう。患者さんとそのご家族も喜んでくださっているよ』というお言葉をいただいた時は、私もうれしかったですね。」
そして彼は今、この商品をさらに進化させようとしています。患者さんの使用シーンを想定し、医師の方々との対話から新しいニーズをつかみ、それを社内に発信したところ、さっそく開発に向けて動き出しました。
「アルケアは医療現場の声をすぐに商品に反映できるのが強みです。医療関係者からは『アルケアに相談すれば何とかしてくれる』という評判をいただいていて、その期待にはしっかりと応えていきたいですね。」
S.M.
ウンド&ナーシングケア営業部
2012年入社(新卒)