Episode 03 ストーマ領域
商品だけでなく、情報やサービス、経験で
オストメイトのみなさんに
自分らしい毎日を送ってもらうチャレンジを。
ストーマ装具の提供を通して、長年に亘ってオストメイトの方々を支援しているアルケア。前線で活躍している社員たちを多く知る広報担当者、オストメイトの方々の声に触れる機会の多いお客様相談室担当者の二人が、今アルケアが力を入れている取り組みをご紹介します。
※ストーマ:消化管や尿管を切除し、手術によってあらたにおなかに作られた排せつ口のこと。
※ストーマ装具:ストーマから排出された排泄物や分泌物をためる専用の装具のこと。
※オストメイト:ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を手術により腹壁に造設した方のこと。
※ストーマ:消化管や尿管を切除し、手術によってあらたにおなかに作られた排せつ口のこと。
※ストーマ装具:ストーマから排出された排泄物や分泌物をためる専用の装具のこと。
※オストメイト:ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を手術により腹壁に造設した方のこと。
オストメイトの方々が抱えていた、
日常生活でのひそかな悩み。
1965年に国産初のストーマ装具「ラパック」を発売して以来、アルケアはストーマ装具を必要とされる人に向けて、優れた商品を数々送り出してきました。現在、お客様相談室を率いるY.T.(写真:男性)も、いかにアルケアがオストメイトの方々に貢献しているかを実感しています。
「私は以前、ストーマ関連商品の営業を担当していました。先天性の疾患で生まれた時からストーマを造設するケースもあり、オストメイトのなかには小さなお子さんもいらっしゃいました。ご家族の苦労は察するに余りありますが、アルケアのストーマ装具でお子さんが『学校に行くのが楽しくなった』と毎日笑顔で過ごされているとのお話をうかがった時は、私も胸が熱くなりましたね。」
オストメイトの中には、外出することに抵抗があるという人がまだまだいらっしゃるのが実情です。広報担当のK.M(写真:女性)はこう話します。
「今、オストメイトは国内に20万人以上いらっしゃいます。かつては私たちがオストメイトの方々と直に接する機会は限られていたのですが、SNSの発達により、ネット上でみなさんの生の声を聴けるようになってきました。『外出してショッピングを楽しみたいけど、公共の場で排泄物が臭わないか気になってしまう』とか、『温泉が好きで旅行に出かけたいけど、ストーマ装具をつけているのであきらめている』とか、そうしたリアルな気持ちに接するうちに、オストメイトの方々のためにアルケアができることはもっとあるのではないかと、会社全体にそうした気運が高まってきたのです。」
自分らしい生活を、
もっと楽しむ。
そのための情報発信を。
世間では、オストメイトの方々を「患者さん」や「障がいをお持ちの方」と捉えがち。しかし、排せつ経路が違うだけで「一般人」と何も変わらない。みなさん自分らしく生活を楽しみたいと思われている。そう認識をあらためたことで、K.M.はオストメイトの方々が抱えているであろう、さまざまなニーズに気づくことができたと言います。
こうした視点が会社全体に浸透し、商品だけでは実現できないオストメイトの方々のQOL(生活の質)向上を図るために、アルケアは新たな取り組みを次々と繰り広げていきます。その一例が、2019年12月に企画開催したオストメイトの方々向けの温泉ツアーです。
「参加された方からはたいへん好評で、『温泉旅行なんて無理だと思っていたので本当にうれしい』という声もいただきました。関わった社員もみな喜んでいますし、世間でも大いに注目され、とても意義のある取り組みだと思っています。」(K.M)
さらに、オストメイトの方々の生活を豊かにするための独自の情報誌を制作し、情報提供にも力を入れています。
「オストメイトの方々に向けた情報誌『向日葵』を2020年から発刊しています。創刊号では、先に開催された温泉ツアーのレポート記事や、オストメイトの方々が気にされる臭いを抑える効果が期待できる料理のレシピなどを掲載しています。」(Y.T.)
オストメイトの方々に向けた情報誌「向日葵」
「ストーマ装具メーカー」から
「オストメイトの生活支援企業」へ。
オストメイトの方々に向けたアルケアのさまざまな取り組みは、大きな反響を呼んでいます。Y.T.が所属するお客様相談室にも、オストメイトの方から直接連絡をいただくことがたくさんあるとのこと。生の声に触れることで、モチベーションがさらに高まっているとY.T.は言います。
「特に『向日葵』の評判がいいですね。オストメイトの方から『私が住む地方でも温泉ツアーを実施してほしい』とか『こんなレシピを紹介してほしい』など、熱いお言葉をたくさんいただいています。私たちがお届けする情報をきっかけに、みなさんにもっともっと前向きな気持ちになっていただきたいですね。」
イベントの企画や情報誌での情報発信のほかにも、オストメイトの方々の生活を豊かにするための日用品の企画開発にも取り組んでいます。たとえば、大手繊維メーカーとの共同開発による専用肌着もそのひとつ。医療機器メーカーの枠を超えて、なぜアルケアはこうして新しいことに果敢に挑戦しているのか? それをK.M.はこう語ります。
「安心・安全なストーマ装具を提供することは、医療機器メーカーとしてのアルケアの責務です。でも、それだけではオストメイトの方々のベストケアは実現できない。ストーマを造設された方も、自分らしく充実した生活ができる、そんな社会を実現することがアルケアの本当の使命。それを達成するために必要なことは、何でも実行に移していきたいと思っています。」
「ストーマ装具メーカー」から「オストメイトの生活支援企業」へ。そんな想いを持つ社員たちの力が結集し、アルケアはさらに進化しようとしています。
K.M.
総務広報部 2000年入社(新卒)
Y.T.
事業管理部 2009年入社(新卒)