瀬戸内海西部に位置する「厳島」は「安芸の宮島」や「宮島」の通称で親しまれ、日本三景の1つとして知られています。平成8(1996)年、社殿を中心とする「嚴島神社」と、前面の海および背後の「弥山原始林」を含む森林区域が世界文化遺産に登録されました。
JR「宮島口駅」または広島電鉄「広電宮島口駅」から「宮島口桟橋」へ向かい、フェリーに乗って約10分。到着すると、島内に生息する鹿たちが出迎えてくれます。
嚴島神社の社殿は、島全体が古来より神として崇められていたことから、畏れ多いという考えにより海上に建てられました。その後、仁安3(1168)年に嚴島神社を崇敬していた平清盛公によって寝殿造の様式が取り入れられました。
この本殿、拝殿など6棟は国宝に、能舞台、大鳥居、五重塔など11棟3基は国の重要文化財に指定されています。厳島のシンボルともいえる「大鳥居」は令和4(2022)年12月に約70年ぶりとなる大規模な修理工事を終え、鮮やかな朱色によみがえりました。高さ16.6m、棟の長さ24.2m、重さ約60tの鳥居の柱は海底に埋められてはおらず、その重みだけで立っているそうです。東西合わせて総長275mにも及ぶ廻廊で結ばれた社殿は潮位2.5m以上になる満潮時には海に浮かんでいるように見え、一方、潮位1m以下になる干潮時には大鳥居の下まで歩いて行くことができます。ベストなタイミングで訪れるには、事前に潮汐表を調べておくと良いでしょう。
嚴島神社の背後にそびえる「弥山」は昔から「弥山に登らずして宮島を論ずるなかれ」といわれています。宮島ロープウェー「紅葉谷駅」から2本のロープウェーを乗り継いで「獅子岩駅」を降りると、獅子岩展望台から瀬戸内海を見渡せます。ここから標高535mの山頂までは歩いて30分ほどです。
アップダウンがあるため歩きやすい靴で行きましょう。山頂には無数の巨石が林立する神秘的な光景が広がり、山頂の展望台からは遮るものがない360度の絶景を堪能できます。
フェリー乗り場と嚴島神社をつなぐ表参道商店街にはたくさんの店が並んでおり、広島県が生産量全国一を誇る牡蠣、ふんわりとした身が特徴の穴子、具材を重ねて作るお好み焼きなどの名物を味わうことができます。大人気のもみじまんじゅうは、種類も豊富です。
厳島からは平和公園(原爆ドーム)との間を約45分で結ぶ高速船「ひろしま世界遺産航路」も運行されており、2つの世界遺産を直接行き来することもできます。
宮島安心ガイドマップ( バリアフリーマップ )
一般社団法人宮島観光協会のWebサイトでは、宮島内のトイレの場所がわかるマップを公開しています。
https://www.miyajima.or.jp/map/map_kanko.html
TOTO宮島おもてなしトイレ
廿日市市とTOTO株式会社が官民協働で整備したトイレ。表参道商店街に面し、1階・2階ともにオストメイトに配慮したトイレがあり、観光案内や休憩スペースも利用できます。
開館時間 トイレ:9時~21時
観光案内/休憩スペース:10時~18時
(取材:2022年12月)